Kotlin Fest 2025 参加レポート ── AI・KMP・開発体験の最前線

こんにちは!
AnotherBall MobileチームのRIO(@rioX432)とApippo(@A5th_Faris)です。

私たちは普段、KMMとCompose Multiplatformを使った Avvy のAndroid/iOS開発を担当しています。日々AIを活用しながらネイティブコードを書いているので、今回のKotlin Fest 2025はまさに私たちの業務に直結するテーマが盛りだくさんでした。

2025年11月1日に開催された Kotlin Fest 2025 に参加してきました!

今年は3部屋での発表が行われ、過去最大の協賛企業数と発表数を記録。弊社AnotherBallもシルバースポンサーとして協賛しております!

会場全体が熱気に包まれた、まさに “祭り” のような一日でした。

Kotlin Festとは

Kotlin Fest は「Kotlinを愛でる」をテーマに、Kotlinやその周辺技術の知見共有と交流を目的とした国内最大のKotlinコミュニティカンファレンスです。

今年の会場は 東京コンファレンスセンター品川

企業ブースやセッション後の交流スペースも盛況で、実装や設計の具体的な話が飛び交っていました。特に印象的だったのは、サーバーサイドKotlinを採用している企業が確実に増えていたこと

AndroidやKMPだけでなく、Kotlinが「汎用言語」として広がっている実感がありました。

聴講したセッションまとめ

オープニングセッション

「AIがコードを書く時代に、Kotlin開発者が果たす役割」
長澤太郎、森篤史、玉木英嗣 / Kotlin Fest オーガナイザー

AIがコードを書く時代でも、開発者は「レビューと判断の責任者」であり続ける。
Kotlinがこれからの時代に最も適した言語である理由が紹介されました。

  • シンプルで表現力の高い構文
  • JetBrains製IDEによるAI支援エコシステム
  • 一貫性のある学習データ

“AIに仕事を奪われる”のではなく、”AIと共に設計を進化させる”。
その方向性をKotlinコミュニティ全体で共有できたオープニングでした。

【招待セッション】Kotlinを支える技術:言語設計と縁の下の力持ち

Yan Zhulanow / Kotlin Team

Kotlin 2.3 の新機能や Build Tools API の開発経緯が語られました。

特に Build Tools API は、KMMを採用しているAnotherBallでも検討すべき内容
モジュールごとのインクリメンタルビルドやKMP対応が進み、ビルド速度や開発体験が大きく改善しそうです。

Kotlinの進化は「新しさ」よりも「安定と一貫性」を重んじている。

Kotlin Compiler Pluginで実現するCustom String Interpolation

be-hase さん

Kotlin Compiler Plugin の内部構造を理解し、文字列補間をカスタマイズする実装事例。IR(中間表現)拡張を用いたコード生成の仕組みが丁寧に解説されました。言語を”使う”側ではなく、”広げる”側の視点が得られるセッションでした。

せめて、ネイティブらしく - マルチプラットフォームと撤退戦略

RyuNen344 さん

マルチプラットフォーム導入時だけでなく、撤退の痛みをどう局所化するか をテーマにした現実的なセッション。Swift Export や Kotlin/Native の制約を踏まえつつ、段階的な置き換え戦略が紹介されました。Kotlin Multiplatformを「一気に導入しない、きれいに戻せるように設計する、特にInterfaceを綺麗に定義する」思想。Avvyのようなハイブリッド構成のアプリにも重要な視点でした。

Kotlinで実装するCPU/GPU「協調的」パフォーマンス管理

matuyuhi さん

Android Dynamic Performance Framework (ADPF) をKotlinで安全に扱う手法を解説。
Flowによる非同期データ処理、sealed classでの型安全設計、DSLによる制御など、Kotlinらしいアプローチ。Avvyでも 即検討すべき内容。発熱対策だけでなく、低スペック端末での顔検出推論の高速化にも有効だと感じました。

Inside of Swift Export - KotlinとSwiftを繋ぐ新しい仕組み

giginet さん

Swift Export により、Swiftから直接Kotlinコードを呼び出せるようになったという解説。ObjCブリッジを経由しないため、iOS側でのAPI体験が大幅に改善。CMPやKMMの採用・撤退どちらにおいても意味を持つアップデートでした。まだまだプロダクションでは使えない段階ですが、今の内に弊社もObjCからの移行の準備していくのが良さそうだと思いました。

Rewind & Replay: Kotlin 2.2 が変える Coroutine デバッグ最前線

daasuu さん

Kotlin 2.2 + IntelliJ IDEA 2025.1 によるデバッグ改善の紹介。ローカル変数保持、スタック復元、ステップ実行などが強化されました。確実に使いやすくなる改善で、日々の開発効率をじわじわ上げてくれそうなアップデートでした。

フルKotlinで作る! MCPサーバー、AIエージェント、UIまで一気通貫

Shuzo Takahashi さん

Kotlin MCP SDK を使い、KotlinだけでMCPサーバー・AIエージェント・UIまで実装するアプローチを紹介。発表では FigmaとMCPサーバーを連携させた事例 もあり、非常に刺激的でした。Avvyでもチャレンジすべき内容。特にUI生成支援やデザイン自動連携の部分に応用できると感じました。

KoogではじめるAIエージェント開発

hiro さん

JetBrains発のAIエージェント構築ライブラリ「Koog」 の詳細セッション。Langfuse連携、DSL構築、並列実行など、本格的なAIワークフロー設計が可能。これは 即座に取り組みたいテーマ

「AIで何をやらせるか」という発想に転換し、UIコード生成支援から、全社OKRの進捗管理・PdMの意思決定支援などに活かしたいと考えました。

AIとの協業で実現!レガシーコードをKotlinらしく生まれ変わらせる実践ガイド

nishimy432 さん

JavaコードをAIでKotlin化する際に「Kotlinらしさ」をプロンプトで教え込む手法を紹介。data class や scope関数、sealed class、null安全など、チームの文化をAIに反映させるという視点が印象的でした。コードスタイルをAIに伝えるという取り組みは、AnotherBallでも活かせそうです。

全体を通して感じたこと

Kotlin Fest 2025は、AI・マルチプラットフォーム・開発体験の進化という三本柱で構成されていました。

  • KotlinはAIを動かす側の言語へ
  • Compose MultiplatformやKMMは「撤退を設計する技術」へ
  • Kotlin開発は「安全と表現力の両立」へ

AnotherBallで開発中の Avvy でも、ネイティブUIUXの最適化を重視しながらKMMによるビジネスロジック共通化を実現し、Unityを使ったFaceTrackingなど非常にチャレンジングな構成を採用しています。さらに、AIを活用したネイティブコード開発も積極的に取り入れており、今回のセッションで紹介されていた技術の多くがまさに私たちの開発現場に直結する内容でした。

私たちは改めて、フルCompose構成で最新アーキテクチャに取り組める環境の価値を再認識しました。

さいごに

Kotlin Fest 2025 は、Kotlinコミュニティの厚みを実感できるイベントでした。登壇者・参加者ともに、AIやマルチプラットフォームを「現場でどう使うか」を語る姿勢が印象的。AnotherBallとしても、Kotlin×AIの領域でさらに挑戦を続けていきます。

弊社からの参加者

Have a nice Kotlin!

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