カンファレンスでAnotherBallとAvvyを知ってもらうために工夫したこと ── DroidKaigi・iOSDC Japan 2026 出展レポート
こんにちは!AnotherBall DevRelチームです。
AnotherBallは DroidKaigi 2026 と iOSDC Japan 2026 にゴールドスポンサーとして協賛し、両カンファレンスで初めてブースを出展しました。5日間でブースに来てくださったのは合計705名。Android・iOSのエンジニアの皆さんに、Avvyのアバター作成とフェイストラッキングを体験していただきました。
この記事では、ブースと登壇をどう設計したのか、DroidKaigiでの学びをiOSDCにどう生かしたのかを、当日の会場の様子や初出展で得られた成果とあわせて書きます。
ブースで伝えたかった2つのこと
今回の出展で目指したのは、ブースでの体験を通してAnotherBallとAvvyを知っていただくことです。もう一つ、私たちがAvvyの開発と、その体験を支える技術に本気で向き合っていることを伝えることでした。
AnotherBallでは、1分でVTuberになれるアプリ Avvy を開発・提供しています。
通常、VTuber配信にはアバター制作や機材の準備が必要です。Avvyならスマートフォンひとつで、アバター作成から配信、フェイストラッキングまで完結します。イラストレーターが一点ずつ制作したパーツを組み合わせて、個性豊かな2Dアバターをつくれることも魅力です。
- Avvyの公式ページ: https://avvy.live/
- AnotherBall公式note: https://note.com/anotherball/n/n4fdcd7c4f005
チラシとステッカーから、アバター作成体験へ
ブースでは、ご来場者にまずチラシとステッカーをお渡しし、AnotherBallとAvvyの全体構成や技術スタックを紹介しました。そのうえで、ご興味がありそうな方にはアバター作成をご案内する流れです。チラシにはアバター作成やフェイストラッキングを支える技術も載せて、プロダクトの楽しさだけでなく、その仕組みや開発への姿勢も伝えました。
体験した方には、完成したアバターをその場でチェキにしてプレゼント。Avvyでの体験を形に残し、ブースを離れた後にも思い出していただくためのノベルティです。
アバター作成では、目や髪型、服装などを自由に選んでいただきました。自分の好みがバレちゃう、と恥ずかしそうにしながら組み合わせにこだわる方や、完成したアバターを見せ合う方の姿も見られました。
アバター作成と併せて、表情や顔の動きをリアルタイムで反映するフェイストラッキングも体験していただきました。自分に合わせてアバターが動く様子に驚く方が多く、そこから実装や技術についてエンジニア同士で話を深められたのが嬉しかったです。
完成したチェキは、カンファレンスのネームカードに付けていただきました。DroidKaigiで作ったチェキをiOSDCでも身につけたり、iOSDCで新しいアバターを作ったりと、2つのカンファレンスをまたいで楽しんでくださる方もいました。
アプリ体験とチェキを組み合わせた理由
ブースの中心をアプリの体験にしたのは、Avvyのサービスや技術を知ってもらうには、実際にアプリを触ってもらうのが一番分かりやすいと考えたからです。自分の手でアバターを作れば、Avvyというサービスそのものも覚えてもらいやすくなります。
ノベルティにチェキを選んだのは、推し活でおなじみのアイテムだからです。Avvyのアバターのかっこよさやかわいさを、手に取れる現物として残すのにぴったりだと考えました。
やってみると、この組み合わせは狙いどおりに働きました。iOSDCの振り返りでは、アプリを触ってもらえるのでどんなサービスかを理解してもらいやすい、という声が出ています。DroidKaigiではチェキを作るために何度もブースへ来てくださる方がいて、iOSDCでは「噂になってるやつですよね!」と声をかけてくださる方もいました。チェキを作ったのは137名で、ブース来場者のおよそ2割です。Avvyがアバターを作るだけのアプリではなく、配信プラットフォームだと知って驚く方も多くいました。
一方で、アバター作成には1人5分ほどかかるため、混み合う時間帯には順番待ちが生まれることもありました。
登壇テーマはAvvyならではの課題から決めた
ブースと並行して、DroidKaigiではポスターセッションへの出展とセッション、iOSDCではルーキーズLTで発表しました。テーマは、AnotherBallのフェイストラッキングと、KMPやUaaLを使った開発技術を軸に考えています。そのうえで、Avvyの開発でぶつかった課題や工夫に目を向けて、CFP(登壇の応募)を書きました。
たとえば、AndroidとiOSで同じ表情を測り比べると、ほっぺを膨らませる表情に大きな差が出ました。iOSのARKitは、TrueDepthカメラの赤外線で顔の奥行きを測れるため、ほっぺの膨らみも高い精度で検出できます。これに対してAndroidのMediaPipeは、Blend Shapeと呼ばれる表情パラメータのうち、この表情を含む7つについて、ほぼ0の値しか返しません。Avvyにとってはアバターの表情の再現度に直結する課題です。ただ、MediaPipeで表情を扱う開発者や、AndroidとiOSで同じ体験をつくろうとしている開発者なら、同じ問題にぶつかる可能性があります。
この比較が、2つの発表になりました。DroidKaigiのセッションで話したのは、Android側の課題と、ランドマークと呼ばれる顔の特徴点の位置関係から補正した実践です。さらに、プラットフォームごとの能力の差をKMPのAPI設計でどう表現するかまで踏み込み、フェイストラッキング以外のクロスプラットフォーム開発にも持ち帰れる考え方として共有しました。iOSDCのLTでは、ARKitが返す52個の表情パラメータのうち、どれが信頼できてどれが当てにならないかを、実測データで示しています。KMPとUaaLを組み合わせたAvvyの全体構成は、DroidKaigiのポスターで紹介しました。
DroidKaigi 2026での出展
DroidKaigi 2026では、多くのAndroidエンジニアの皆さんにAvvyを体験していただきました。
Day0のポスターセッションには、モバイルチームのRIO(@rioX432)とApippo(@A5th_Faris)が出展しました。ネイティブ × Unity × KMP × クラウドという構成で、Avvyの全体像とAndroidの技術スタックを1枚にまとめたポスターです。
AvvyのアプリはAndroid・iOSそれぞれネイティブで作り、ビジネスロジックはKMP(Kotlin Multiplatform)で共通化、アバターの描画はUnity as a Library(UaaL)でUnityを組み込んでいます。ネイティブ・KMP・Unityを組み合わせたモダンな構成です。この構成での開発の工夫は、これまでのテックブログでも紹介しています。
- KMP × Unity UaaL のモバイルアプリ開発 ── マルチリポジトリ構成と自動化の話
- SwiftUIアプリにUaaLを組み込む ── Viewのライフサイクル管理方法の紹介
- KMP × Kotlin 2.3 ── iOSビルド47%改善の裏でAndroidが遅くなった理由
9月3日には、RIOが MediaPipe Face Landmarkerの精度限界にどう立ち向かうか ── ランドマーク幾何学による補正の実践 というタイトルで登壇しました。登壇者に直接質問できるAsk the Speakerには5人ほどが来てくださり、ポスターセッションやセッションをきっかけにブースを訪れて質問してくださった方もいます。
セッションとブースの両方を通して、プロダクトだけでなく、AnotherBallの開発や技術への取り組みをお伝えできました。
DroidKaigiでの学びをiOSDCに生かす
DroidKaigiのあと、良かったこと・課題・次に試すことの3つに分けて整理するKPTという手法で振り返り、iOSDCまでの1週間ほどでできるところから改善しました。
中でも大きかったのが、チェキの印刷です。DroidKaigiでは、スマートフォンからチェキプリンターのinstax mini Link 3へ、Bluetoothで画像を送って印刷していました。ただ、人もデバイスも多い会場では接続が不安定になりやすく、アバターの完成から印刷までに時間がかかる場面がありました。
そこでiOSDCでは、Bluetoothの接続が途切れにくいよう、アプリの設定からプリンターの自動電源オフを切りました。体験用のiPhone 3台に対してプリンターは2台だったので、プリンターとつなぐiPhoneを固定し、残りの1台で作ったアバターの画像は、AirDropでプリンター側のiPhoneへ送ってから印刷しています。プリンターの接続先を切り替える手間もなくなり、iOSDCの振り返りでは、DroidKaigiより接続しやすくなったことが良かった点に挙がりました。
自動電源オフを切った分、プリンターの電池の減りは早くなります。より安定させるために、次は有線で印刷できないかも検討しています。
チェキ以外にも、次の点を変えました。
- チラシはスタンドに入れて取りやすくし、体験用のiPhoneはスタンドに立てて並べた
- DroidKaigiでは想定より多くの方にチラシを受け取っていただけたので、iOSDCでは400枚を用意した
- 交代でほかのスポンサーブースも回った
チラシやiPhoneの置き方は、iOSDCの振り返りで「前回より改善されていてとてもよかった」と挙がりました。ほかのスポンサーブースを回ったことで、近い領域で出展していた企業の方とのつながりもできています。
iOSDC Japan 2026での出展
iOSDC Japan 2026でも、Avvyのアバター作成とフェイストラッキングを中心としたブースを展開しました。
普段からiOSアプリの開発に携わる皆さんと、カメラを活用した表現やリアルタイム処理、モバイルアプリ開発、端末の発熱を抑える方法など、さまざまな話ができました。展示に使ったiPhone 14は、朝から晩まで充電しながらフェイストラッキングを動かし続けても、フレームレートが落ちませんでした。
iOSDC JapanでもRIOがルーキーズLTに登壇し、「ほっぺを膨らませる」が高精度なのはなぜ? という発表をしました。DroidKaigiのセッションと対になる、iOS側の話です。
2つのカンファレンスで合計705名が来場
ブースで配布したチラシの残り枚数をもとに来場者数を集計しました。DroidKaigi 2026では2日間で330名、iOSDC Japan 2026では3日間で375名の方にAnotherBallブースへお越しいただきました。
2つのカンファレンスを合わせると、ブース来場者数は合計705名です。初めてのブース出展で、多くの方にAvvyを体験していただけました。
| カンファレンス | 出展日数 | ブース来場者数 |
|---|---|---|
| DroidKaigi 2026 | 2日間 | 330名(うちチェキ作成 55名) |
| iOSDC Japan 2026 | 3日間 | 375名(うちチェキ作成 82名) |
| 合計 | 5日間 | 705名(うちチェキ作成 137名) |
初めてのブース出展を終えて
準備を進めるなかでは、短い時間でAvvyの魅力をどう伝えるか、体験を通してAnotherBallをどう知ってもらうか、体験と技術解説とノベルティをどうつなげるか。この3つをメンバーで何度も話し合いました。
来場者の皆さんの反応を目の前で直接見られたこと、そして多くのエンジニアの皆さんと技術についてじっくり話せたこと。この2つが、私たちにとって大きな学びになりました。
AvvyのAndroid・iOSアプリは、それぞれ2名のエンジニアで開発しています。ブースで配ったチラシでも、この体制を前面に出しました。
技術の話をするなかでこの体制をお伝えすると、少人数で開発していることに驚かれる方もいました。
今回お会いした方々のほとんどは、それまでAnotherBallやAvvyをご存じなかった方々です。それでも、カンファレンスへの出展後にはスカウトへの返信が届いたり、カジュアル面談のお申し込みがあったりと、具体的な反応も生まれました。こうした変化から、今回の出展を通してAnotherBallとAvvyの認知度を高められたのではないかと感じています。
次のカンファレンスに向けて
2つの振り返りでは、次に試したいアイデアも出ています。
- チェキを作れることをブースにも掲示して、より多くの方に気づいてもらう
- ランダムにアバターができる仕組みなど、短い時間でも楽しめる入り口を用意する
- Avvyだけでなく、AnotherBallがどんな組織なのかも伝える
- CFPを出すメンバーを増やし、ブースのチェキの話なども登壇の題材にする
ご来場ありがとうございました!
AnotherBallのブースにお越しいただいた皆さま、セッションを聞いてくださった皆さま、本当にありがとうございました。DroidKaigi 2026、iOSDC Japan 2026の開催に携わった運営スタッフ・関係者の皆さまにも、心より感謝申し上げます。
今回は限られた人数でのブース出展となりましたが、参加したメンバー全員がそれぞれの役割で力を出し切れたと思います。初めての出展を無事に終え、多くの方と直接お話しできたことを、チーム一同とても嬉しく感じています。
また次のカンファレンスでお会いしましょう!
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